「うつ病を治したいけど、断捨離って効果あるの?」
「片付けができない私はうつ病なのかな?」
「うつ病でもできそうな効果的な片付け方法はある?」
このようなお悩みを抱えている方、多いのではないでしょうか。
私は今でこそ在宅勤務でなるべくストレスのない生活をしていますが、以前は夜勤もある看護師勤務、お局さんの嫌味や悪口を毎日浴びていて、うつ状態だったことがあります。
職場で行われるストレスチェックで、毎回カウンセリングを受けていました。
生理がとても重くなったりお腹を下したり、だるさや息切れのような症状が続いて、ギリギリで出勤する日々。
そんなときに出会ったのが、断捨離・ミニマリズムという考え方でした。
断捨離すること、ものを減らして本当に必要なものだけで生活をすることで、うつ症状が徐々に改善し、「人生が変わった」という経験をしました。
この記事では、私が実際に体験したうつ病に対する断捨離の効果や体験談、私なりの「うつでもできる断捨離方法」を紹介しています。
うつで苦しんでいる方、「やらなくてはならないのに体が動かない」とつらい思いをしている方の、少しでも助けになれば幸いです。
断捨離にうつ病を改善する効果はある?

ものを手放す「断捨離」とうつ病は、どんな関係があるのでしょうか。
詳しく解説していきます。
断捨離とは?
「断捨離」とは、必要のない物を手放し、物へのこだわりをなくすことで、より快適でシンプルな暮らしを目指す考え方です。
ヨガの「断行」「断行」「離行」という教えをもとにしており、片付けに関する方法論の一つとして、やましたひでこさんが広めた考え方です。
難しく書いてしまいましたが、「本当に必要なもの以外は手放しちゃおう!」という考え方です。
うつ病にはどんな症状がある?
対してうつ病は、心や体に強いストレスがかかることで発症し、何をしていても無気力で、一日中気分が沈んだりするような症状が現れます。
また、眠れなかったり食欲がなくなったり、身体的な不調を伴うこともあります。
人によって症状が異なることも特徴のひとつです。
私は息切れや満性的な頭痛、便秘と下痢を繰り返す、生理痛が寝込むほど重くなるなど、たくさんの症状がありました。
断捨離とうつ病の関係
不要なものを手放して整理する「断捨離」をすることで、私はうつの症状が改善したと感じています。
断捨離をしてものを減らすと、当然部屋を見渡したときに目に入るものも少なくなります。
私たちの脳は、目に入るものが多いと情報過多でストレスを感じるそうです。
小さなストレスでも徐々に減らしていくことで、気分もスッキリしちょっとずつ前向きになれたと感じています。
また、断捨離をすることで、「いる・いらない」の選択をたくさんすることになります。
その訓練をすることで、自分に必要なものがはっきりするので、ストレスの元となる「苦痛になる人間関係」や「見栄を張りたくてするお買い物」を必要ない、とバッサリ切り捨てられるように。
断捨離をすることは、自分が好きなものや必要なものと、嫌だと感じるものいらないものを知ることになり、結果的にストレスが減ることでうつ症状の改善につながると考えています。
【体験談】断捨離でうつの症状が改善した体験談
ここで、私の体験談をお話ししようと思います。
断捨離をする前は、休みの日は寝て終わり、家事はおろかシャワーを浴びるので精一杯の毎日を送っていました。
テレビゲームが好きでしたが、この頃はそれもできないほど疲れていたんです。
やりたいことややらなければならないことが満足にできず、自分が大嫌いでどんどん病んでいった感覚を今でも覚えています。
ですが、断捨離を始めたことで生活が整い始め、考え方も変わったことで少しだけ生きるのが楽になりました。
断捨離を始めてうつへの効果を感じ始めるまで
そんなとき、ミニマリズムに出会って「身軽そうでいいな」という思いから少しずつ断捨離をするようになりました。
結果的に爽快感にハマってしまって、約半年間の休みの日はすべて断捨離に費やすほどでした。
断捨離を始めて1ヶ月くらいで変化を感じ始めました。
具体的な変化はこちらです。
- 食事をちゃんと摂るようになった
→食器を減らしたことで洗わないと食べられないため、洗い物がたまらず料理のハードルが下がった - 洗濯が苦じゃなくなった
→服が少ないのでこまめに洗わないとパンツがない。1回の洗濯量が減って楽になった - 好きだったゲームもできるようになった
→仕事終わり疲れて帰ってきて、「掃除しなきゃ洗い物しなきゃ」がなくなってすぐにゲームができるように。 - とりあえずお酒に溺れるのをやめられた
→以前は家事したくないから「とりあえずビール」だったのが、家事のハードルが下がってお酒を飲む頻度が減った
その後も断捨離を続けて、次第に人間らしい生活が取り戻せていった感覚がありました。
断捨離がうつを改善する最大の理由「考え方の変化」
また、今でも「断捨離をしてよかった」と思うことの一つに、考え方の変化があります。
うつになりやすい人は、以下のような特徴があるようです。
几帳面で真面目、責任感が強い人がうつ病になりやすいと言われています。
これらが人並み以上に強い場合や考え方に柔軟性が乏しい人、開き直りや決断ができない人はストレスを受け止めやすく、結果としてうつ病になりやすいと言えます。
引用元:厚生労働省「うつ病を知っていますか?」
自分でいうのもどうかと思いますが、私はこれらの特徴すべてに当てはまっていました。
職場の人とは誰とでも仲良くしなければならない、お誘いは断ってはいけない、と本気で思っていたんですよね。
ですがミニマリストになってたくさん断捨離をする中で、自分のストレスに敏感になりました。
「誘われたから行かなくてはいけない」と思って飲み会が実はすごく嫌だったこと、同僚だから仲良くしていたけど本当は加わりたくない悪口など、もの以外の自分に必要ないものも見えてきたんです。
断捨離を通して少しずつ、私はもの以外のストレスも手放していきました。
悪口大会に参加させられそうな流れの時は自然とその場を離れるようになったし、気分が乗らないお誘いも断れるように。
「自分は自分だし、嫌なことは可能な限り減らしていい」と信じられるようになったことで、結果的に自分に優しくなれた感覚がありました。
元うつ病のミニマリストが思う断捨離のうつへの効果

先ほどの体験談でもお話ししましたが、断捨離を行うことでストレスが少しずつ減っていき、それがうつ病改善の効果を発揮しているのではないかと考えています。
ここでは、断捨離がもたらすうつ病への効果を解説していきます。
ものを手放す爽快感がストレス解消になる
断捨離をして片付いた部屋は、すっきりして気分も軽くなることでしょう。
逆にものが多ければ多いほど目から入ってくる情報量も多いため、脳が疲労を感じストレスが溜まりやすくなります。
「掃除をしないといけない」と思っても、ものに溢れた部屋を綺麗にするのはとても大変です。
「やらなければならないのにできない」と感じることで、少しずつストレスとなって溜まっていきます。
断捨離すると、部屋がキレイになってスッキリするだけでなく、この小さなストレスもなくしてくれます。
ものが少なくなれば掃除のハードルも下がるので、綺麗な部屋を保ちやすいことも、ストレス解消になると言えるでしょう。
持ちものを管理するストレスが減らせる
断捨離をしていると「こんなの持ってたっけ?」というような、存在すら忘れていたものと出会うことがあります。
ものが溢れている今、管理しきれていない人がほとんどなんですよね。
断捨離は、管理をするものの数を減らすことにもつながります。
例えば、私は靴を3足しか持っていません。
その分定期的に磨いたり洗ったりして、大事に長く履くことができるようになりました。
以前は20足以上持っていて、玄関は足の踏み場もありませんでした。
お手入れなんてもってのほかで、すぐに履き潰してしまったりせっかく買ったのにほとんど履かずに手放してしまったり、お世辞にも大事にできておらず…
「ものを大事にできていない」という気持ちは、それだけで「なんでできないんだろう」「もったいないのに」と無意識に自分を責めてしまいます。
そのストレスから解放されることも、断捨離の大きなメリットと言えるでしょう。
心に余裕ができて健康に気を配れるようになる
ものを減らすことで管理するストレスが減り、家事のハードルが下がっていきます。
ストレスが減って少しずつ心にも余裕が持てるようになると、食事をしっかり摂ったり好きなことを楽しむ時間を作れるようになったり、健康的な生活を意識できるようになります。
うつ病に関連した食の悩みを抱えている方は多いでしょう。
私は拒食傾向で、「掃除や洗濯、お皿洗いをしなくてはならないのに…」と感じながらも体が動かず、晩ごはんはほとんど食べていませんでした。
食器を減らすとその都度洗わないと使えないので、洗い物をためることがなくなります。
たまったとしても10枚にも満たないので、そこまでストレスにはなりません。
食事には料理やお皿洗いなどがくっついてくるので、そのストレスを減らすことで心に余裕ができ、食事をしっかり摂れるようになったり、健康的な食事を意識できるようになると言えるでしょう。
自分を知ることで自己肯定感が上がる
断捨離をしながら「いる・いらない」の判断を繰り返すことで、ゆっくりと自分の傾向がわかってきます。
例えば、私は服の断捨離をしていて、「ビビットカラー・肌触りの悪い生地」のものはあまり着ないということがわかりました。
あまり着ていなくて手放す服は、どんなに一目惚れして買った服や高かった服でも上記に当てはまっていたからです。
自分の好み・傾向を知ったことで、無駄なく買い物ができるようになりました。
「ものを大切にできる自分」「買い物が上手になった」という意識は、小さなことですが自己肯定感を上げてくれます。
食料品や家電、家具などにも、同じことが言えるでしょう。
そして、断捨離を続けていくと部屋がすっきりと整います。
自分で「いる・いらない」の判断を続けた達成感とその結果片付いたお部屋は、それだけでも自己肯定感を上げてくれるでしょう。
断捨離で体調が悪くなる理由とうつとの関係
ここまで、断捨離がもたらすうつへの良い効果を紹介してきました。
しかし、なかには断捨離を実践したことで、物事に対する関心が薄れたり、捨てる行為が止まらなくなったりなど、苦しい思いをすることも。
まるで気持ちが落ち込むような状態になることもありますが、これは断捨離によって一時的に現れる変化の一種であると考えられます。
ここでは、断捨離によって起こる反応について解説していきます。
断捨離で起こるうつへの効果以外の症状とは
症状は人それぞれですが、以下のような症状が挙げられます。
・手放しすぎて「お金を稼いでものを買っても無駄」と無気力に感じる
・倦怠感や風邪っぽい症状を感じる
・断捨離の爽快感が癖になってしまい、必要なものまで捨ててしまう
私は実際に、捨てたくて捨てたくて仕方がなくて、必要なものまで捨ててしまうという症状を経験しました。
断捨離で起こる反応の理由
これらの症状は、断捨離が「いる・いらない」の判断を繰り返すため、脳へストレスを与える行為であることが理由で起こると考えられています。
うつにより脳が正常に働いていない場合、無気力さや倦怠感を感じることはあるでしょう。
さらに、たくさん悩んで判断をして、断捨離が終わりスッキリした部屋に身を置くことは、達成感や爽快感も感じられます。
「つらい経験を乗り越えたという経験をもっと」という思いから、ついつい手放せるものはないかと探してしまうと考えられています。
断捨離でよくない反応を起こさず片付けを続ける方法
何でもかんでも捨てたくなってしまったり、無気力さを感じることは断捨離が進んできている証拠ですが、できれば元気に断捨離を達成したいですよね。
ここでは、実際に私が実践してみてよかったなと感じる、断捨離を効果的に続ける方法を紹介します。
断捨離のゴールを決める
断捨離のゴールは、あらかじめ決めておくと安心です。
「部屋がスッキリしたら」「片付いたら」というような、達成できたかどうかが分かりにくいゴールではなく、家の場所ごとに、
「服はクローゼットのハンガーにかけられるだけ」
「雑貨は靴箱の上に飾れる3つまで」
「食器はお茶碗やお椀など1人1種類まで、全部で食器棚に収まるだけ」
というように、明確に達成できたというゴールを設定しましょう。
そうすることで断捨離しすぎてしまう事態を防げるだけでなく、断捨離の達成感も強くなります。
少しずつ断捨離する
隙間時間のたびにノンストップで断捨離をするのは、できるなら避けたほうが良いでしょう。
人は1ヶ月間続けると習慣化してくると言われています。
休みの日や空き時間を全て片付けや断捨離に費やしてしまうと、ゴールを迎えた時にやめ方が分かりません。
そして手放すことでの達成感や爽快感も感じているので、どうしても捨てられるものがないか探してしまうようになります。
もちろん、明らかなゴミや床にものが散乱しているような状態は、精神的にも身体的にもよくないのですぐに片付けた方が良いでしょう。
しかし、「整頓されているけれど物が多い」という状態の場合は、1日1アイテムか、もしくは1日1エリアの断捨離くらいのペースで進めていくのがおすすめです。
無意識に手放せるものがないかを考え出したら一旦中止する
それでも、いわゆる「断捨離中毒」のような状況になってしまったら、一旦お出かけするのがおすすめです。
なるべく家にいる時間を少なくして、捨てるものがないか探す時間を減らしましょう。
ショッピングに行くと買ってしまうという方は、映画館や図書館、体験教室などエンターテイメント型のお出かけにすると、断捨離のことを考えなくても良いのでおすすめです。
断捨離でうつを改善する効果的な片付け方法

先ほどご紹介したように、よくない症状を防ぎながら断捨離を進める方法に加えて、ここではなかなか身体が重くて動けないうつの方でも、効率的に片付ける方法を紹介します。
STEP1:断捨離する理由と理想の部屋のゴールを細かく決めておく
「断捨離したい!」と考えている方は、それぞれ理由があることでしょう。
例えば私の場合は、ミニマリストの友人の部屋を見て、「いつでも人が呼べる家ってかっこいいな」と思い、自分もそうなりたいと思ったからでした。
動機の部分はその後のやる気に直結するので、継続するためにも「こうなりたい」「こんな部屋にしたい」と明確に決めておきましょう。
そして、断捨離中毒やだるい、無気力といった症状を防ぐためにも、断捨離するエリアごとに細かくゴールを決めておくことも大切です。
断捨離の達成感を高め、必要以上に捨ててしまう行為を防ぎます。
STEP2:エリアごとに使ったものを避けておくゾーンを仮で作る
目標とゴールが決まったら、ダンボールでもなんでも良いので「一時避難ゾーン」を作ります。
使ったものと使わなかったものを一目で見てわかるようにするのが目的です。
今回はクローゼットを例に紹介します。
①今のシーズンの服をクローゼットに全て集める(冬だとコートとかも)
②着て洗濯し終わったものは別のところに避けておく(アウターも)
③1ヶ月続ける(洗濯したものから着てもOK、着たいものを着る)
④クローゼットに残っているものは着ていないもの→断捨離候補へ
着ていたもの→残すもの
キッチンやデスク周りも同様です。
私は空いている収納ボックスや段ボールを活用して、仕分けをしていました。
STEP3:仕分けする
次は、断捨離候補のものを仕分けしていきます。
先ほどのクローゼットの例であれば、1ヶ月着なかったもののなかにも、捨ててはいけない服があるはずだからです。
例えば…
・喪服や結婚式で着るドレス
・スーツ
・他の季節にも着れるもの
など
たまに着る機会があるけれどそんなに高頻度では着ないものは、手放して後悔する可能性が高いです。
そのため、断捨離対象から避けておくことをおすすめします。
STEP4:手放し方でさらに仕分ける
最後は、手放し方で仕分けていきます。
残っているのは、着る機会が少なかった服ですよね。
数が多い場合は、買取サービスに全て出してしまうのがおすすめです。
プチプラでも買い取ってくれるところもあるので、断捨離が初めての方はチャレンジしてみましょう。
ですが、一括買取だとあまり値段がつかないことも。
高価なものや価値がありそうなものは、メルカリで出品するのがおすすめです。
まとめ:断捨離はうつを改善する効果がある!
本記事では、実際うつ病だった私が体験した、断捨離の効果を紹介しました。
うつの重症度は人によって異なるため、すべての人に効果があるとは言えませんし、だるさや無気力といった症状が出る可能性もあります。
ですが、私自身確実に断捨離やミニマリストになったことで人生が変わりました。
「みんなができることなのに、なぜ私はできないんだろう」
「やらなきゃいけないのに、どうしても身体が動かない」
このような思いを抱えている方に、断捨離はとても効果的だと思います。
もちろん、強く症状が出ている時には、前向きに断捨離をするのは難しいと思うので、ぜひ症状が落ち着いている時に、ゆっくりはじめていくのがおすすめです。
本記事が、うつ病と闘っている方の少しでも参考になれば幸いです。